最新情報

2015年9月にモンゴル国立大学で開催した国際会議「JCM project Kick-off Meeting」で発表したH27年度版のJCM/MRVプロジェクトの紹介映像を本サイトで公開しました。

http://www.ccau.jp/video/

2015年 8月26日(水) 「ジーナ・マッカーシー米国環境保護庁長官 スピーチ&タウンホール・ミーティング ‐気候変動への米国の歴史的な行動 ‐」において、渡邉正孝機構教授が運営および司会を務めました。

詳しくはコチラ

「二国間クレジット制度(JCM)推進のためのMRV等関連するモンゴルにおける技術高度化事業」のサイトを公開しました。

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プロジェクト概念図
二国間クレジット推進のための冷凍貯蔵システムの創出とMRV手法の構築についての
概念図です。
プロジェクトの目的
モンゴルにおけるグリーン開発プロジェクトの目的です。(英語)

モンゴルにおける技術高度化事業の概要

Change in total number of livestock in Mongolia

背景

モンゴルでは気候変動により過去50年間で気温が約2.4度上昇しました。気温上昇によって国土の63%を占める永久凍土は融解が進行し、水資源の減少と草原の劣化を加速し、異常気象を誘発を誘発しています。特に、異常気象のゾド(寒雪害)は最も大きな問題となっており、特に2009-2010年のゾドでは総家畜頭数のおよそ2割に相当する1000万頭以上の家畜が死亡し、8711の遊牧民世帯が所有していたすべての家畜を失い、家畜価格が高騰しました。
遊牧は、中央アジアの乾燥地帯における環境適応の方法として、何千年にもわたって進化を遂げてきました。しかし現在、気候変動はモンゴル遊牧民の社会生態システムに大きな影響を与えており、気候変動に対する総合的な対策が必要とされています。

モンゴル

目的

モンゴルにおいて、グリーン開発による草原劣化防止および再生可能エネルギー利用の冷凍貯蔵技術による食肉貯蔵システムの計画・提案・導入業務を推進し、エネルギー起源二酸化炭素排出削減効果をGOSAT-2を用いて把握検証するMRV手法の確立を目指します。
さらに、気候変動の適当にもつながるような総合的な取り組みを行い、モンゴルにおける持続可能なグリーン開発・グリーン経済への移行の道筋を世界に提示することを目指します。

牧草地を保全して遊牧民の生活を安定させ、
地域全体が低炭素となる持続可能な施策実現のため
冷凍貯蔵システムを適用するプロジェクトを進めています

冷凍貯蔵技術

新しい技術のひとつとして、太陽光発電を利用した冷凍貯蔵システムがあげられます。省電力な冷凍貯蔵システムは、ゾド発生の危険が高まるときに早期収穫された食肉を貯蔵できます。冷凍貯蔵施設及び食肉流通管理は、家畜の数を環境収容力以内に抑える経済的動機付けとなり、雇用や所得の増加、食品安全性の高まりをもたらします。

Container

国家グリーン開発計画への反映

モンゴルの環境にあった冷凍貯蔵システムの開発やゾドの発生予測の高度化、ゾド予報の配信、ゾド予報を用いた場合の食肉流通量の推定、モンゴル域の二酸化炭素の発生吸収量などといった、社会経済・地球環境を含めた幅広い研究を行ない、モンゴル政府と協力して草原劣化を防止する国家グリーン計画への反映を目指します。

Soum Center  Education, Health care. Agricultural and Industrial Facility

このグリーン開発事業は社会変革をもたらすものですが、
伝統的なモンゴルの遊牧文化を破壊せずに遊牧ネットワークを
強化して、かつ環境を保全できる方策と考えています。

プロジェクトについてさらに詳しく

モンゴルにおける二国間クレジット制度(JCM)推進のための
MRV等関連する技術高度化事業は
主に3つの取り組みがあります

  • 低炭素システムの効果検証

    低炭素システムの効果検証

    日本の要素技術である冷凍冷蔵システムをもとに、現地の実情に合わせて行政及び国全体として効率のよい低炭素システムを設計し、提案します。この低炭素システム導入によるエネルギー起源温室効果ガス(二酸化炭素、メタンなど)の排出削減効果の検証を行います。

    モンゴルにおける技術高度化事業とは
  • GOSAT後継機を使った評価

    GOSAT後継機を使った評価

    JCMによる温室効果ガスの削減効果は、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)後継機GOSAT-2を利用して検証します。モンゴルにおけるエネルギー起源の排出量を観測する方法を検討します。

  • MRV手法の検討

    MRV手法の検討

    低炭素システム導入前後の温室効果ガスの排出・吸収量をGOSAT-2を用いて観測し、システム導入による温室効果ガス排出削減効果を把握検証するMRV手法の確立を目指します。

MRV事業の必要性
アジア太平洋地域をはじめとする途上国においては、温室効果ガスインベントリの整備が不十分で、十分なデータが得られない場合がありますが、人工衛星により宇宙から観測を行えば、二酸化炭素等の排出を面的に把握することが可能です。
MRV事業による貢献
  • 二酸化炭素等の排出把握を行い、アジア諸国等におけるJCM 実施の効果検証に貢献します。
  • 気候変動対策を含む総合的な環境対策の進展を図ります。
  • 日本との連携によるアジア諸国等の低炭素化を推進するとともに、そのエネルギー起源二酸化炭素排出削減の効果を検証します。
  • 日本の技術で世界の温室効果ガス排出削減・吸収や持続可能な経済社会の実現に貢献すると同時に、日本の優れた低炭素技術の導入を推進します。
  • 二国間クレジット制度(JCM)とは?

    二国間クレジット制度(JCM)とは?

    途上国への温室効果ガス削減技術・製品・システム・サービス・インフラ等の普及や対策を通じて実現した温室効果ガス排出削減に対する日本の貢献を評価し、一定量を日本が削減した排出量として日本の削減目標の達成に活用する制度です。

  • MRVとは?

    MRVとは?

    温室効果ガス排出量の測定、報告及び検証のことを指します。
    国政府、地方公共団体、企業などあらゆる団体における地球温暖化対策の基礎は、自らの活動に起因する温室効果ガスの排出量を把握することです。MRVはその把握した排出量の正確性や信頼性を確保する一連のプロセスといえます。

  • 温室効果ガスインベントリとは?

    温室効果ガスインベントリとは?

    ある期間内に特定の物質(大気汚染物質や有害化学物質など)がどこからどれくらい排出されたか、を示す一覧表を、排出インベントリといいます。
    温室効果ガスインベントリはその一種で、二酸化炭素(CO2)など地球温暖化の原因となるガス(温室効果ガス)の排出量や吸収量を、排出源・吸収源ごとに示すものです。